加賀温泉郷でいちばん贅沢な一泊を探すなら、山代温泉のこの2軒に行き着きます。藩政時代から十八代続く老舗「あらや滔々庵」と、山の庭に抱かれた全16室の宿「べにや無何有」。
どちらも山代温泉を代表する高級旅館ですが、性格は正反対です。歴史に浸るか、静けさに沈むか。この記事では、歴史・客室・温泉・食事を項目ごとに比べていきます。
あらや滔々庵とべにや無何有の違い一覧
| 項目 | あらや滔々庵 | べにや無何有 |
|---|---|---|
| 客室数 | 17室 | 全16室 |
| 歴史 | 藩政時代より十八代 | 建築家の設計による現代の宿 |
| 客室風呂 | 源泉大浴場が主役 | 全室に源泉露天風呂 |
| 泉質 | 山代の源泉(大正時代の万國鉱泉博覧会で金賞) | カルシウム・ナトリウム硫酸塩温泉 |
| 特色 | 北大路魯山人ゆかりの品が館内に現存 | 山庭を囲む別荘のような造り |
| 名の由来 | 滔々とあふれる源泉 | 荘子の「無何有の郷」 |
| 向いている人 | 歴史と大浴場を味わいたい人 | 部屋にこもりたい二人 |
料金やプラン内容は時期によって変わります。最新の情報は各予約サイトで確認してください。
違いを詳しく解説|歴史と成り立ち
あらや滔々庵は藩政時代から十八代続く宿です。宿名の「滔々」は、滔々とあふれる源泉に由来します。特筆すべきは北大路魯山人との関わり。大正初期、まだ無名だった30代の魯山人は、初代須田菁華に陶芸の手ほどきを受けるため山代温泉に約1年間滞在しました。当時の宿主である15代源右衛門は、他の旅館の経営者とともに魯山人と交流し、書画や看板を注文して彼の生活を支えました。
その縁から、館内には魯山人が初めて手がけた陶芸作品といわれる赤絵皿や、烏湯縁起にまつわる暁烏の衝立が現存しています。美術館ではなく、泊まれる宿にこうした品があるという体験は、他ではなかなか得られません。
べにや無何有は、宿名を荘子の「無何有の郷」から取っています。「からっぽのなかの豊かさ」という思想を建築に落とし込んだ宿で、建築家の設計による現代的な造りです。歴史を誇るのではなく、静けさそのものを設計した宿だと言えます。
歴史と文化に触れたいならあらや滔々庵、思想と静けさならべにや無何有です。
違いを詳しく解説|温泉
あらや滔々庵の主役は源泉大浴場。滔々とあふれる湯を大きな浴槽で味わうという、旅館らしい正統な湯浴みができます。山代温泉の泉質は評価が高く、大正時代にドイツで開かれた万國鉱泉博覧会で金賞を受けたと宿側が伝えています。歴史ある湯を、歴史ある宿の大浴場で浴びるという構図です。
べにや無何有は全室に源泉露天風呂があります。泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩温泉。大浴場へ行く必要がないので、滞在中ずっと二人だけの時間を保てます。山の庭を眺めながら、好きな時間に何度でも湯に入れる。これが記念日旅行における決定的な価値になります。
大浴場でしっかり浸かるならあらや滔々庵、部屋の露天で独占するならべにや無何有です。
違いを詳しく解説|客室と庭
あらや滔々庵は17室。数を絞っているぶん、一室ごとに手が入っています。離れの客室も用意されており、より静かに過ごしたい場合の選択肢になります。
べにや無何有は全16室。自然の山庭を囲むように客室が配され、別荘のような構成になっています。窓の外にあるのは整えられた庭と、その先の山。視界に他の客室が入りにくいよう設計されているため、16室あっても一軒宿にいるような感覚になります。館内にはスパも備わっています。
違いを詳しく解説|食事と立地
あらや滔々庵の食事は、伝統が育んだ料理とおもてなし。十八代続く宿が積み上げてきた献立で、加賀の食材を正統な形で味わえます。JR加賀温泉駅から車で約10分という距離で、駐車場は25台無料です。
べにや無何有も加賀山代温泉に位置し、季節と地元の食材を軸にした会席で構成されています。どちらも山代温泉の中にあるため、温泉街の総湯や古総湯へ足を延ばすこともできます。
共通点
どちらも客室数を20室未満に抑えた小規模高級旅館です。17室と16室という規模は、スタッフが宿泊客一人ひとりを把握できる範囲。記念日や節目の旅で、行き届いたもてなしを受けたい人には理想的です。
また、どちらも山代温泉という同じ湯の里にあります。北陸新幹線の敦賀延伸で加賀温泉駅へのアクセスが良くなり、以前より訪れやすくなったエリアです。金沢からも車や電車で1時間圏内なので、金沢観光と組み合わせた1泊にも使えます。
そして、どちらも「泊まること自体が目的になる宿」です。観光地を巡る拠点ではなく、宿で過ごす時間にお金を払う価値がある。その点で両者は同じ土俵にいます。
どんな人におすすめ?
あらや滔々庵が向いている人
歴史ある旅館に泊まりたい人、源泉大浴場でしっかり湯に浸かりたい人、文化的な背景に惹かれる人。藩政時代から十八代という歴史と、北大路魯山人ゆかりの品が館内にあるという事実は、この宿だけの価値です。旅の話題としても、記憶に残る一泊になります。
べにや無何有が向いている人
部屋にこもって過ごしたい二人、何度でも露天風呂に入りたい人、静けさを何より重視する人。全16室すべてに源泉露天風呂があり、山庭を囲む別荘のような造りという条件は、記念日やプロポーズなど特別な日にふさわしい選択です。
口コミ・評判で語られるポイント
あらや滔々庵については、藩政時代から十八代という歴史、滔々とあふれる源泉大浴場、そして北大路魯山人ゆかりの赤絵皿や衝立が館内に現存することが語られています。伝統に裏打ちされた料理とおもてなしについても評価が集まる宿です。
べにや無何有は、全16室すべてに源泉露天風呂がある贅沢さ、山庭を囲む別荘のような造り、そして荘子の「無何有の郷」に由来する静けさのコンセプトが評価の中心です。館内のスパについても言及があります。
最新の口コミや料金は各予約サイトで確認してください。
まとめ|選ぶときのコツ
決め手はこの一点です。
「歴史ある大浴場か、部屋の露天風呂か」
十八代続く老舗の格式、源泉大浴場、魯山人ゆかりの品に触れる体験を求めるならあらや滔々庵。
全16室すべての源泉露天風呂、山庭に囲まれた静けさ、二人だけの時間を求めるならべにや無何有。
どちらも客室数が少ないため、記念日シーズンや連休は特に取りにくくなります。日程が決まったら、まず空室を確認しておきましょう。一休.comや楽天トラベルなど複数の予約サイトを見比べると、同じ宿でもプラン内容やポイント還元に差が出ることがあります。
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